● 猫を室内飼いしたいけど、フローリングにフロアコーティングはしたほうがいいの?
● フロアコーティングしたいけど、猫と暮らす家ではどれを選んだら良いの?
猫を飼っていて家を新築やリフォームをする方、これから猫を迎え入れる方は、こんな悩みをお持ちではないでしょうか?
猫と暮らすお部屋には、フロアコーティングがおすすめです。
傷やフローリングの劣化に対するストレスが軽減され、猫だけでなく飼い主も快適に過ごせるようになります。
この記事では、以下の内容について詳しく解説します。
- 猫と暮らす家でフロアコーティングをしたほうがよい4つの理由
- ワックスよりも飼い主の負担軽減につながるフロアコーティング
- フロアコーティグを選ぶ際は、傷を防ぐ効果、シミを防ぐ効果、滑るのを防ぐ効果、猫が舐めても安心かを確認する
- 猫と暮らす家にはUVコーティングとシリコンコーティングがおすすめ
最後まで読むことで、猫と暮らす家における床選びの迷いが解消されるでしょう。
猫と暮らす家にフロアコーティングをおすすめする4つの理由
なぜ猫と暮らす家にフロアコーティングが良いか、大きく4つの理由があります。
理由1:床に傷がつくのを防ぐ
フロアコーティングは傷に強く、フローリングに傷がつくのを抑える効果があります。
猫が作るフローリングの傷の原因で最も多いのは、爪によるものです。
猫は肉球をクッションにして歩くため、歩くだけであればあまり傷はつきません。
しかし、走ったり高いところから降りたりすると爪が立つため、フローリングに傷がつきやすくなります。
猫は爪が伸びるのが早いため、気を付けていても爪による傷はついてしまうものです。
フロアコーティングをしていたとしても、フローリングを一切の傷から守る、といったことは難しいのですが、何も施工していない床よりも傷がつくのを防ぐことができます。
コーティング剤によっては傷が目立ったら部分補修できるものもあり、フローリング自体に傷が及んでいなければ、再び綺麗な状態になります。
本来のフローリングを傷から守るためにも、フロアコーティングをしておいたほうが良いでしょう。
理由2:粗相や嘔吐によるシミを防ぐ
撥水性、耐薬品性に優れているフロアコーティングは、嘔吐物やおしっこがフローリングに染み込むのを防ぐ効果があります。
猫は、胃に溜まった毛玉による不快感や、誤食による吐き戻しなど、健康状態に関わらず頻繁に嘔吐するものです。
さらに、トイレのしつけが終わっていない子猫や、年をとって認知症が進んだ猫は、床で粗相をしてしまうことも。
何も塗っていないフローリングにおしっこ、嘔吐をすると、シミが残ってしまう可能性があります。
特に、フローリングの溝に汚れが溜まることはできる限り避けたいところです。
念入りに掃除をしてもなかなか取り切ることが難しいため、時間が経つと黒ずんだり、ニオイの原因になることもあります。
フロアコーティングの施工によって、床表面だけでなく、フローリングの溝にも塗膜ができるため、嘔吐物やおしっこの染み込みを抑えることができます。
理由3:猫にとって歩きやすい
フロアコーティングにより、床表面にクッション性が出てグリップが効くようになり、猫が歩いたときに滑るのを防ぎます。
多くのフローリングは表面がツルツルした素材のため、踏ん張りが効かず猫が滑ってしまいます。
そのため、高いところから飛び降りたり走ったりすると、転倒やケガの危険性が高まります。
さらに、長い間滑りやすい床で生活していると、椎間板ヘルニア、膝蓋骨内方脱臼といった病気になってしまう恐れもあります。
滑りやすい床は猫にとってストレスになります。猫の足腰を守るためにも、グリップが効く床にしておく必要があります。
理由4:掃除が楽になり、飼い主のストレスが軽減
掃除が楽になるのも、フロアコーティングをするメリットです。
きれいなフローリングにシミや傷ができると、とてもストレスになりますよね。
フロアコーティングには撥水性、防汚性があるため、前述した嘔吐やおしっこ、さらに食べこぼしや飲みこぼしもサッと拭けばきれいになります。
さらに、猫は毛がよく落ちますが、掃除機や住居用ワイパーで簡単に取れるのも嬉しいポイントです。
カーペットやジョイントマットを敷くよりも、衛生的に過ごせるでしょう。
フロアコーティングはワックスよりも負担軽減に
フロアコーティングは費用を要するため、ワックスにしようか悩んでる方もいるのではないでしょうか?
ホームセンターでも購入することができるため、まずは手軽にワックスを、と考える人もいます。
フロアコーティングは耐用年数が10年~30年のため、一度塗布すると長期間塗り直す手間がありません。
一方、ワックスは数ヶ月に一度塗り直しをする必要があります。
塗布をするだけであれば簡単と思うかもしれませんが、以下のように工程が多いため、多大な労力と時間を要します。
- 家具を動かす
- ワックスが剥離してから塗布する
- 時間をおいて乾かす
これを数ヶ月に1回する必要があると思うと、なかなか大変ですよね。
さらに、フロアコーティングはワックスよりも耐薬品性に優れているため、嘔吐物やおしっこなどの汚れに強いです。
一般的に販売されているワックスは、アクリルやウレタンなどの成分で構成されています。
これらは嘔吐物やおしっこに弱いため、剥がれたり、黒ずみなどの変色を起こすこともあります。
床をきれいな状態に保ちたいのに、ワックスが原因で汚くなったら本末転倒ですよね。
さらに、剥がれたワックスを猫が舐めてしまうことを考えても、衛生的ではありません。
少々値は張りますが、飼い主にとってのストレスを軽減するためにも、ワックスよりもフロアコーティングのほうがおすすめといえるでしょう。
猫と暮らす家でフロアコーティングを選ぶポイント
一言にフロアコーティングといっても、世の中には様々な製品があり、どれを選んだら良いのか悩んでしまいますよね。
そこで、猫と暮らす家のフロアコーティングを選ぶポイントについてまとめました。
選ぶ際には、各メーカーから数センチ角のフロアコーティングサンプルを取り寄せ、検討材料として用意するのをおすすめします。
傷を防ぐ効果の高さで選ぶ
まず、傷のつきにくさの指標である硬度を比較・確認しましょう。
硬度はHで表され、数字が大きいほど硬く、傷に強いといえます。
メーカーのホームページやカタログ等に記載がないか探してみましょう。
さらに、サンプルがあれば、サンプルに傷をつけてみて傷の付きにくさを体感することができます。
傷が目立ちやすいのは日光が当たっている時間のため、光に当てて様々な角度からチェックすると良いでしょう。
ただし、フロアコーティングをしても多少の傷はつきます。完璧は求めないようにしましょう。
おしっこや嘔吐物のシミを防ぐ効果の高さで選ぶ
シミを防ぐ効果の高さを測るために、撥水性、防汚性、耐薬品性を確認しましょう。
おしっこや嘔吐物は酸性です。水ではなく薬品寄りの特性のため、どちらかというと防汚性よりも耐薬品性に該当します。
あわせて、掃除する際はどんな洗剤が使えるかチェックしておくと良いでしょう。
滑るのを防ぐ効果で選ぶ
床表面にグリップ性があるか確認しましょう。
滑りやすさには特に指標があるわけではないため、サンプルに触れるのが最も分かりやすいです。
コーティングの有無で滑りに変化があるか、それぞれ触って確認しましょう。
猫が舐めても安心かで選ぶ
猫がコーティング剤を舐めてしまうことにより、シックハウス症候群の原因となる有害物質が口から体内に入ると、健康被害が及ぶ可能性があります。
安全性の指標として、ホルムアルデヒド放散等級を確認しましょう。
この等級は、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドという物質の発散濃度のレベルを表し、改正建築基準法(2003年7月1日施行)によって規格化・区分化されたものです。
等級が最高等級であるF☆☆☆☆ (エフフォースター)であれば、ホルムアルデヒドの発散が全くないかごく微量のため、安全性が高いといえます。
カタログ等に記載があるか確認しましょう。
さらに、抗菌・防カビ・抗ウイルスの指標であるSIAAマークが表示されている商品であればなお良いでしょう。
抗菌効果と安全性があると国際規格で認定されているため、猫が舐めてしまっても安心です。
フロアコーティング主要4種類を比較
下記の表は、各コーティングが持つ効果を5段階で評価したものです。数字が大きいほど評価が高くなります。
傷を防ぐ効果 | シミを防ぐ効果 | 滑るのを防ぐ効果 | |
UVコーティング | 4 | 5 | 4 |
シリコンコーティング | 3 | 3 | 5 |
ガラスコーティング | 5 | 4 | 2 |
水性ウレタンコーティング | 2 | 1 | 3 |
この評価を踏まえて、主要なフロアコーティング4種類について比較してみました。
UVコーティングは機能性が高く長期間効果が持続
UVコーティングは、耐薬品性がとても優れています。
そのため、嘔吐物やおしっこに強いのはもちろん、様々な洗剤を使用することができます。
例えば、ノロウイルス等の感染症対策や消毒にも用いられる塩素系漂白剤も使用が可能です。
普段は水拭きや中性洗剤での掃除で十分ですが、粗相や嘔吐に対して強力な洗剤が使えるのは安心できますよね。
その他のメリットとして、下記の点が挙げられます。
- 硬度は5H程度だが、塗膜が厚いため傷があまり目立たない
- 滑りにくさはシリコンより多少劣るが、グリップ性に優れている
- コーティングの耐用年数が最長で30年あり、塗り替えの手間を考えずに長期間過ごせる
- 乾かす時間が不要で、既に住んでいる家でも手軽に施工できる
UVコーティングは、猫との生活において機能性が高く、万能なフロアコーティングといえるでしょう。
一方で、デメリットを挙げるのであれば、やはり施工費が高いことです。
1㎡あたり5,000円程度で、仮に30坪の家を全室コーティングすると、約30万円の施工費を要します。
他のコーティングと比べると1㎡あたり2,000円~3,000円の価格差があるため、施工を躊躇してしまいますよね。
とはいえ、導入のメリットは大きく、猫と暮らす家を最良の状態にしたい人、塗り替えの手間をかけたくない人には、とてもおすすめです。
シリコンコーティングは滑り止め効果が最も高い
昔から根強い人気のシリコンコーティングは、猫と暮らす家にもおすすめです。
シリコンコーティングは他のコーティング剤に比べて、滑り止め効果が最も高いです。
そのため、猫の足腰へのストレスを最も防げる素材と言えるでしょう。
さらに、施工費が1㎡あたり3,000円~4,000円と比較的安く、費用を抑えたい人にもおすすめです。
その他のメリットとして、次の点が挙げられます。
- 撥水性、耐薬品性があり、嘔吐物やおしっこはサッと拭けばきれいになる。
- 硬度は4~6Hとメーカーによってバラつきがあるものの、傷への耐性がある。
UV、ガラスに比べるとそれぞれ劣る部分はあるものの、総合的に申し分ない性能です。
一方で、耐用年数は10年から20年で、UV・ガラスと比べるとやや短めです。
塗りたては高光沢ですが、生活していく上で徐々に摩耗してツヤがなくなっていきます。
とはいえ、機能性が高くコスパが良いため、猫の足腰へのストレス軽減を重視したい方や導入のコストを抑えたい方は、シリコンコーティングを選ぶと良いでしょう。
ガラスコーティングは比較的滑りやすい
コストパフォーマンスが高くて人気のガラスコーティングですが、猫と暮らす家にはやや不向きと言えます。
なぜなら、ガラスコーティングは他のコーティング剤に比べると滑りやすい素材だからです。
他のコーティング剤は塗膜を厚くすることでグリップ性を出していますが、ガラスコーティングは塗膜が薄いため、グリップ性の向上はさほど期待できません。そのため、猫が歩きづらく感じる可能性があります。
ただ、猫がいてもガラスコーティングに魅力を感じる人は多くいます。
ガラスコーティングの最大のメリットは、傷に強く、そして目立たないことです。
硬度は9Hのため、他のコーティング剤より傷から床を守る効果が圧倒的に高いです。
さらに、光沢がないのが特徴のガラスコーティング。
マットな質感が好みの方や、フローリング本来の質感を大事にしたい方にとって、譲れないポイントではないでしょうか。
猫の過ごしやすさの観点から、おすすめとは言いづらいガラスコーティング。
しかし、何も塗らない床や、市販のワックスよりも滑りづらい製品もあります。
猫がいてもガラスコーティングを導入したいと考えるのであれば、サンプルを取り寄せて滑りやすさを確認してみましょう。
水性ウレタンコーティングはシミへの耐性が弱い
安全性が高く、価格がリーズナブルなのが魅力の水性ウレタンコーティング。
こちらも残念ながら猫と暮らす家にはあまりおすすめできません。
水性ウレタンコーティングは、薬品に強くありません。
そのため、嘔吐物やおしっこ、洗剤に弱く、シミやコーティング剥がれなどの原因になります。
さらに、硬度は1~3H程度と傷にも弱く、耐用年数も3年~5年程度で、他のコーティング剤に比べると特出したメリットがありません。
ただ、水性ウレタンコーティングは数年に一度は塗り直しをするのが前提のコーティング剤のため、コーティングにシミや剥がれが出来ても、塗り直すことによりきれいになります。
猫と暮らすとどうしても汚れや傷は発生するため、こまめにメンテナンスすることで長期的に綺麗さを保ちたい人にはおすすめです。
ただし、おしっこや嘔吐物の放置はしないように気をつけましょう。
まとめ
この記事では猫と暮らす家でフロアコーティングをしたほうが良い理由と、選ぶポイントについて解説してきました。
傷・シミ・滑りに強く、掃除が楽になるのは、猫と暮らす上でとても魅力的ですよね。
フロアコーティングは値段が張りますが、大切な家族の一員である猫、そして飼い主の双方が快適に過ごせる床になるでしょう。
まずは、気になる商品のサンプルを取り寄せて、比較検討してみてはいかがでしょうか。
フロアコーティング業者を選ぶなら、一括見積もりがおすすめです。お住まいのエリアに対応した業者のみから見積もりが届くので、業者選びがとてもスムーズに進みます。